好きなこといろいろ

日本のつぶやき(2015~2020)

いろんな「私」

宅急便会うたびに家に来るような気がする

ていねいな歯磨きのわけは明日歯医者

巻きずしのはみ出す端が俺は好き

漁師だがネット関係と言っておく

靴裏に秋を落ち葉で持ち帰り

無意識に息をするってすごいこと

人生は泣く日笑う日ごみ出す日

買ったけど役に立つなよ非常食

チンプンとカンプンの差がわからない

朝がきたボーっとしてたら夜がきた

あと何回暑い寒いと言えるのは

何かをすれば何かを忘れる

ラブホテル言われるほどの愛はない

イントロで戻るあの頃17才

ふる里につながってると見てる空

知っているようで知らない蟻の顔

困ったなきちんとしまえば忘れちゃう

明日こそ何か始める今日はいい

極楽と言うけど風呂に入るだけ

こんなのが今まで腸にあったのね

楽しめばみんな遊びになるのにな

ねるおきるまたねるおくるねるおきる

死ぬ前に消さぬと困るお気に入り

もう捨てる靴が一番履きやすい

明日が来るそれとも明日へ行くのかな

 

正直言うとつまらなくなってきているというか、おもしろみにかけた。2005年頃の万能川柳と比べてだ。万能川柳が年を取ったのか選者の仲畑氏が年を取ったのか、どちらも年を取ったわけである。「漁師だがネット関係と言っておく」この網漁をネットにするあたりは鋭いセンスだと感じた。

過去の川柳から

よく言ったそれをお前がやってくれ

でも猿は核兵器など作らない

その良さをあなた自身が知らぬ良さ

変だなあヘンに見えなくなってきた

マイペースゆっくりだとは限らない

仏像を見に来た人と祈る人

水平線こんなに小さなグラスにも

 

いろんな家族

日常を連れているよな夫婦旅

初詣妻には言えぬ願いごと

次の月まで覗くヌードカレンダー

無線だと祖父が言ってるのはスマホ

あの過去はすんだ夫とすまぬ妻

ニコニコと濡れ衣を着る母がいる

母親が姉ちゃんになる里帰り

新品のタオルで床を拭ける嫁

ばあちゃんが育てた孫はお茶が好き

肥えてると安心してる里の母

「アマゾンからお荷物です」に母びびり

おふくろよハンカチ持ったはもう聞くな

「美容院行ったよ」「休みだったのか?」

すれちがいふりむいちゃって45年

トランクスブラジャー守る物干し場

夫とねあんなことしたうそみたい

歯ブラシを歯間ブラシで掃除する

 

「あの人」のこと

棚の上自分だらけで崩れそう

おしまいに気づくボタンの掛け違い

あの人が夫だったら今ごろは

大福にはじめて苺入れた人

銭湯で隠さぬ男納得す

世界地図ひろげて道を聞いてきた

AIよ額に汗をかいてみろ

ゆっくりと聞けば日本語だった歌

1人降りそして2人が座られた

愛は勝つ一体何に勝つんだろう

美しい花を撮るため踏む雑草

どうしようウソもホントも傷つける

イライラは自分が作るものらしい

葬式代知らず笑っている遺影

遊んでる時はどおこも痛くない

盗られても盗られても尽くすミツバチ

 

まだ何も失敗のない朝が好き

何もない山頂にある達成感

したいだけしてもいいのよ良いことは

 

「彼らのこと」

戦争は得するものが企てる

戦争は行かない人がやりたがる

平和ボケこれって理想じゃありません?

マニキュアが家事は苦手と言っている

村人も今では家に鍵をかけ

十七も七十才も一度だけ

品性は人柄もでる席・くしゃみ

収集家ほんの一部と言って見せ

流行を着ても中身はモロ昭和

蟻や蚊に悩みがないとは言い切れぬ

豪雨やみ危険なくなり来る視察

結局は得か損かで動いてる

「わたしって」はじまる話つまらない

いつまでも長生きしてねの無責任

 

さまざまな「何か」

知っている味に例える知らぬ味

盗んでも罪にならない味と技

ズッキーニ作曲しそうな名前です

カラフルになったまわしとランドセル

本屋いく紙のにおいと手触りと

イノシシに注意は何をすればいい

3ミリの虫にテイッシュを5枚とり

校歌ではそびえているが低い山

コンセントあれば便利な墓掃除

飛行機もSuicaで乗れる日が来るさ

田んぼ見て風の形を感じる日

混雑で揉み合いなんて困るなあ

すごい差だ唯一神と八百万(やおよろず)

今これを書いてる時はもう来ない

桃を持つ手のひら自然と柔らかに

いいことも芋づる式に出て欲しい

怖い歌詞死んでも君を離さない

全治とはカサブタ取れるまでなのか

人もだが神も仲良くしてほしい

愛とカネややこしいのはどっちだろ

犬の芸何故チンチンと言うのだろ

ロケットは不法投棄と違うのか

トラックも前にトラックいるのいや

恐ろしいネーミングです軍手って

 

仲畑貴志氏が精選した万能川柳からさらに僕の「今」の感覚で選んだものが以上でした。〇〇川柳というさまざまな川柳の本が図書館にいくと並んでいるが、やはり万能川柳が僕にはいちばん合う。川柳を読んでも何も感じない人がいるそうだが、僕にはそういう人の感性とかが理解できない。同時にその人からみたら川柳を面白がってる僕が理解できないんだと思う。自ら川柳を詠んでみて投稿するようになりたいと思い始めてる。

 

 

 

 

 

 

 

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コックン

2014年12月(当時59歳)に近場の低山歩きを始めた。 これから山歩き(登山)をはじめようと思っている方や福岡県内の里山や無名山に興味関心がある方々向けて情報発信したいと考えている。 福岡県の低山・里山・無名山以外にも駅舎や神社、コミュニティーバスなども好きである。

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