その日暮らし
仕事を辞めて5ヶ月になろうとしている。このまま「その日暮らし」をしていくつもりであるが、何か変化があればそこで考えようと思っている。基本はこのまま死んでいくことをイメージしている。イメージはしているが「死は避けられない」といった意識だ。また死後の世界があることを確信しているから、向こうに逝ってから父や母、祖父、祖母、愛犬ペスとの再会も楽しみにしている。ま、「その日暮らし」という「今」を「今日」を生きていくことが僕の本心である。が、実態は昼寝する時間が多く、あとはスマホでYouTubeをみたり、漫画を読んだりする大学時代とあまり変わらないのが日常である。山を歩いている時だけは「真剣さ」にスイッチがはいり、本当に一生懸命に歩いている。「歩く」=「生きる」みたいな感覚がある。
髪をさばく
ところで歯医者の予約をしていたことが前日メールで連絡が入る。御前11時からの予約だ。歯医者に行く前は簡単に歯を磨いて、着替える。で、気づいたんだが、鏡の前で髪をさばく自分がいた。これに驚いた。買い物に行く、山歩きに行く、散歩に行くという日常では「髪をさばく」必要がなかったのだ。買い物も山歩きも散歩もキャップ(帽子)をかぶれば髪がどうなっていようと構わないからだ。櫛は窓際のテレビの後ろで使われないままになっている。ドライヤーもあるけど眠ったままだった。しかし、3ヶ月に1度の歯科検診、歯の掃除のため歯医者に行くとなると、髭剃りで髭もそり、くしゃくしゃの髪も櫛付きドライヤーでさばいたのだ。なぜか?歯科衛生士さんに好きな人がいるからだ。つまり、人間は恋をしていないと、自分の髪の乱れや、鼻毛が出ていても、口が臭くても、パジャマのままで一日を過ごしても平気になっていくのだ。劣化していくのだ。恋をしないといけない。「恋情」を抱かないといけないのかもしれない。