熱中症とは?
熱中症とは、熱によって起こるさまざまなからだの不調のことをいいます。
暑さによって体温調節機能が乱れたり、体内の水分量・塩分量のバランスが崩れたりすることが原因です。
簡単に説明するとこれだけなんですが、言葉は知っていても、症状は熱中症になってみないと分からないもんです。
で、今回は僕の体験を思い出しながら、準備と対策について書いてみます。
体験するまでの僕
熱中症を体験するまでは、「自分が熱中症になる」ということは少しも考えたことがなかった。
熱中症という言葉は聞いたことがあったし、熱(暑さ)による体調の異常が起きるくらいの認識だった。
骨折の経験がない人が、骨折を想像はするが、骨折したあとのことを考えないのと似ている(たとえがまずいかな)
さて、その熱中症がいつ起こるか、どこで起こるかもわからない。
そこが熱中症の始末におえないことなんだ。
そして最悪は死ぬ。
熱中症の体験しながら「死ぬかもしれない」と正直思った。
さて体験を書いてみる。
糸島市、立石山での体験
2015年7月15日のことである。
209m。
(まず高さでなめていた)
たくさんの人が歩き風光明媚で人気のある糸島の山である。
低山歩きをはじめて7か月。
ただがむしゃらに歩いてきただけで、登山知識はほとんどなかった。
ただ「道迷い」だけがこわくて谷正之さんの低山歩きの本でも道だけを確認して歩くだけだった。
この日も、いつものように緊張しながら初めての立石山をスタートした。
いつもと何かが違う、なんか変だ・・・
海岸まで足をのばしたりしているくらいだから、心にも余裕があったんだろう。
「7月」「夏」「暑い」このくらいの認識はあったんだろうが、「熱中症に注意」なんて気持ちはかけらもなかった。
そもそも「自分が熱中症にかかる」という自覚はゼロなのである。
気分よく砂岩がむき出しになった山道を順調に歩いていった。
ふりかえると、芥屋の大門の突き出た部分がなんとも素晴らしい風景なのである。
まあ、ゴツゴツした岩道なので疲れるのは当たり前だと思って登っていたが、どうにもきついのである。
しかし、あと少しで頂上だからがんばろうと歩いていた。
足が先に進まなくなった時
一歩一歩の歩幅が小さくなっていることや、スピードが遅いという自覚は少しあったが。
まだ、この時点では自分の身体に異常が起きているという自覚はなかった。
ところが。
足があがらなくなったのである。
足を先に進めようとしても進めないのである。
頂上はそこに見えているのに・・・とにかく気分が悪い。
めまいがする。
「あれ、なんか変だぞ」
休むといっても日陰はないし、道にすわりこんで水分補給。
塩飴をなめる、かじる。
もしかして、これが噂に聞いたことがある熱中症なんじゃないか?
過呼吸までおきる事態
道に寝転ぶしかなかった。
ギラギラの太陽が射すので顔にタオルをかぶせて目をとじた。
頭では下山を考えたが、下山する体の状態ではない。
太陽光線が体に当たり水分を奪っていくような感覚だった。
「このままだと死ぬぞ!」
砂漠で死んでいく人ってこんな感じなのかなあと考えた。
どうせ死ぬなら日陰で死にたいと思い立ち上がった!
立ち上がったら、不安からなのか過呼吸が起きた。
過呼吸歴は長いので対応になれているつもりだが、仮にこの症状が熱中症ならばヤバイなあと不安感は強くなった。
立ち上がったものの長くは歩けなかった。
ベンチがあったので再び寝転ぶことにした。
(つづく)