あらまし
何から書き出したらいいのかがわからない。
「山奥」で「肉離れ」を起こして、約6キロをストックを杖にして車まで戻ってきた話なんだが、前回の「登山用ストック」と関連する話なので記録しておきたい。
まずは地図を見てもらおうかな。
背振山を知らない人には全然見てもおもしろくない地図なんだが。
背振山近くの航空自衛隊横の駐車場からスタートして猟師岩山(893m)をめざしたんだが、途中で左足ふくらはぎに肉離れを起こして断念して背振の駐車場まで戻ったというだけの話なんだ。
肉離れを起こして5.7キロをどうやって戻れたかを話したいだけなんだ。
あせらず、ゆっくり話をさせてよ。
コースのあらましは、航空自衛隊横駐車場→背振山→矢筈峠→唐人の舞→椎原峠→鬼ヶ鼻岩
そして目的地の猟師岩山の直前で肉離れを起こしたのだ。
その前に、肉離れについて少しだけ。
肉離れとは?
肉離れとは、筋肉が引き伸ばされると同時に収縮するときに起こる筋肉の断裂で、部分的に断裂することが多い。
肉離れは筋肉であればどこにでも起こり得る、特にハムストリングス(太ももの裏の筋肉)や大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)、下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)に起こることが多い。
僕の場合は、下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)に起きた。
マムシとの遭遇
鬼ヶ鼻岩を過ぎたあたりから話そう。
ここまでももよく頑張って歩いたと思っていたんだ。
こんな濡れた岩場を必死に登っていたんだ。
すると・・・
こんなプレートがあったんだ。
プレートがあるだけならいいのだが、その横の岩の上にマムシがいたわけさ。
ビビったのは事実。
少しあわてたのも事実。
パニックとは思いたくないが、急いでその場を立ち去ろうと早足になったのも事実。
心臓がドキドキしたのも事実。
安心できるくらいのところまできたところで事件は起きた。
突然の痛み!
気持ちは目的地である猟師岩山をめざしていた。
その時である。
いきなり左ふくらはぎに硬球ボールを誰かがぶつけてきたんだ!!!!
「痛!!!!」叫んだ!
硬球ボールを誰が投げたのか振り返るが、そんな人ががいるような場所ではない。
まわりを見渡すが硬球ボールも転がってはいない。
ただひたすら痛いだけなんだ。
マ、マ、マ、マムシに噛まれた!?
頭がパニックになった。
さっき見たマムシ以外にもいたのか!?
しかしマムシの姿はなく、ふくらはぎが激しく痛いのである。
?実際に倒れこんだ場所である。
靴を脱ぎ、靴下を脱ぎ、ズボンをめくりあげて左のふくらはぎを見た。
とてつもない痛さがあるが、マムシに噛まれたのであるなら、痛みを我慢してでも毒を吸い出さないといけないと頭は考えていた。
ザックの中からポイズンリムーバーを取り出した。
左ふくらはぎのアザや黒いシミみたいなところを片っ端からポイズンリムーバーを当てて吸い出した。
左ふくらはぎ全体というか、その奥のほうに強烈な痛みがあり、噛まれた様子はない・・・
とにかく落ち着こうと努めた。
芍薬甘草湯を飲んで、水もたっぷり飲んで、心を落ち着かせようとした。
どのくらいの時間、そこにいたかわからない。
靴下をはき、登山靴をはき、立ち上がってみた。
ストックを杖にしないと立てない。
で、歩こうとしたが左脚は地面につける状態じゃなかった。
で、何を考えたか?
(つづく)