山歩きの始め方

道迷いから遭難事故へ②

「道迷い」に対する考え

山歩きにおいて「道迷い」をしないことがのぞましい。

道迷いをしない学習、下調べ、予習、準備などさまざまなことが考えられる。

しかし令和元年における遭難概況は、発生件数約2500遭難者約3000人、死者行方不明者約50人。(これは例年よりも少なかったと書かれている)

これは警察に届けられた数だから「約」と書いた。

おそらくこの数字を大きく上回る遭難事故があっていて、警察には届いてない事故もある。

そしてこの山岳遭難の原因の毎年第1位が「道迷い」なんだそうである。

以上のことから「道迷い」は避けられないという前提を意識するかどうかがカギなんじゃないだろうか。

「道迷い」はしても「遭難」はしない山歩き

僕個人のこれまでの体験からの感覚であるが、どんなに学習、予習、下調べをしていても常に変化している自然の中において「道迷い」はする!

道迷いはすることを前提に歩くのである。

道迷いはしたくなくてもするものだから。

道迷いに気づいたら・・・

鉄則を守るしかない!

  1. 迷ったら引き返す
  2. 迷った時に沢に降りてはいけない

この2つしか僕にはない。

この2つの鉄則にしたがう上で遭難にあったら、そこから先は「遭難」に対する行動となる。

しかし、前回の秩父での遭難事故の多田さんの事例からもわかるように、迷ったと自覚しても、バスの時刻や日帰りという焦りから下山をつづけて転落されている。

鉄則にしたがえば100%安全なわけではないが、遭難事故につながる確率は圧倒的に少ないだろう。

正常性バイアス

心理学用語である。

これを読んでおくことも「道迷い」をへらすための参考になるから。

正常性バイアス(せいじょうせいバイアス)とは、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと。

自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまうこと。

都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となること。

これは一昨日からの大雨やコロナなどの今現在の僕らの「現実」にも大いに参考になることだ。

「道迷い」した時の心理が遭難へ

道迷いした場合。僕の場合であるが。

  1. 気持ちに動揺、動転が生じる
  2. パニックに陥る
  3. 焦りあわてる行動が起こる

この結果が転落事故や大きなケガにつながると考えられる。

とにかく立ち止まり、ザックをおろして、水分補給をして、大きく深呼吸して、気持ちを落ち着かせることである。

それから、地図コンパスGPSなど持っているもの総動員して現在の位置確認、戻るべき方角などをゆっくり確認することである。

※パニック状態では地図を見たりスマホを見たりする能力が圧倒的に低下していることも付け加えておく。(僕の場合だが)

まとめ

  1. 迷ったら引き返す
  2. 迷った時に沢に降りてはいけない

この鉄則をとりあえずは忠実に実践してみようではないか!

この鉄則を無視した場合は遭難事故覚悟という気持ちで前進するしかない。

それでも無事に下山で来た例もたくさんあるのだろうが、やはり体験したらわかることだが、「道迷い」の先には何が待っているかわまらない。

多くは「滑落する場所」「滑落体験」が待っていると考えていい。

 

 

 

 

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コックン

2014年12月(当時59歳)に近場の低山歩きを始めた。 これから山歩き(登山)をはじめようと思っている方や福岡県内の里山や無名山に興味関心がある方々向けて情報発信したいと考えている。 福岡県の低山・里山・無名山以外にも駅舎や神社、コミュニティーバスなども好きである。

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