初心者と歩いてみて改めて気づくこと
親友夫婦は60代、登山靴もまだ持たない初心者。
この親友夫婦と歩く山をさがして見つけたのが隠居岳(佐世保市)だった。
「スニーカーで大丈夫か?」
「スニーカーで十分に歩ける山だ」
そう応えたガイドマンとしては、自分だけ登山靴で歩くのはズルい気がしてスニーカーで歩くことにした。
初めて山を歩く人にとって、分からないのが「服装」だということを知った。
確かに僕もそうだった。
単独ソロではじめたので相談する人もいなくて、ましてやネットで登山、服装で事前学習するタイプでもなかったから、持ってるユニクロを着ていってひどく暑い思いをした。
親友夫婦にはレイヤリングなんて認識はないだろうから、やや寒い程度の服装で、重ね着できるようにリュックに上着を持っていくようにアドバイスした。
隠居岳は600m位の山なんだが、僕が思っていたより寒かった(笑)
ストックの有無
僕自身がある時期からストックを愛用する低山歩きをしているので、親友夫婦にも予備のストックを用意して、1本ずつ持たせた。
これは二人の感想によると、すごく良かったみたいだ。
隠居岳は穏やかな尾根道もあれば、階段、石段、粘土質の滑りやすい道など、さまざまな表情を持ってることも、初心者向きだと僕は判断したんだ。
スニーカーで歩いてみて、やはり登山靴と違うのは決定的に靴のグリップ力の弱さだった。
その弱さを補うのがストックだったんだと思う。
60代からの低山歩きにはストックを持っていこう!と僕は言いたい!
トイレの問題など
60代からの低山歩きには、排尿排便の問題が生じてくる。
特に頻尿という症状をもつ僕は、いつでもどこでも排尿排便できるようになっているから、自分としてはあまり問題ないのだが、ガイドするとなると気を使うものだった。
で、親友夫婦には紙パンツを今後の夫婦低山歩きには使ってみてはどうかと話してみた。
親友は獣医だったので、夫婦で老犬に紙パンツをはかせるなどの経験を持っていて、人間用の紙パンツの優秀さをよく知っていたから話は楽だった。
特に山での排尿(雉うち、花摘み)に抵抗がある人は、是非、紙パンツを一度は試してみてほしい。
僕は三度試みているが、その体験談も後日話してみたい。
「楽しい」という宝物のような時間
服装だとかストックだとかトイレの問題とか細かな課題はあるにせよ、友達と山で同じ時間を共有するという喜びは大きい!
いつもひとり(単独、ソロ)で6年間行動してきた僕は、群れるのは嫌だ、団体行動は絶対したくないなどと思って生きてきたが、友達との行動は至福の時間だった。
「楽しい」というのは「ひとり」でも感じることなのだが、親友夫婦と歩いたわずかな隠居岳の時間はやはり宝物のような時間だったと思っている。
その感覚はひとりでは決して感じることができないものである。