もうすぐネムノハナが咲く季節が来る。合歓の花を「ねむのはな」と読むのは難しい。「ネムノキ」「ネムノハナ」とカタカナ表記をしたらまたイメージが違って感じる。夜になると葉が閉じて垂れ下がる就眠活動を行うことが「ねむのき」の語源だと知ったのはつい最近のことだ。
で、僕が合歓の花を見たのはもう遠い遠い昔のことなんだろうが、「合歓の花」として名前と顔が一致して出会ったのは、この低山歩きを始めてからだ。その「出会い」と今でも憶えてることを簡単に書いておきたい。
六ヶ岳(むつがたけ)
2015年6月、まだ低山歩き1年生だ。谷正之氏の「福岡県の低山歩き(下)」(2015年10月発行)はまだ発売されていないから、別の本を参考にして歩いたのだろう。宮田登山口から歩いている。この宮田登山口のせまい場所に車をとめた記憶がある。その時、咲いていた合歓の花。いやいや、登る前は緊張して合歓の花の淡紅色を楽しむ余裕はなかったから、おそらく下山したあとホッとした気持ちで合歓の花の淡紅色に慰められたことが印象に残ったんだと思う。当然その時はその花が「合歓の花」だとは知らないわけだから、後日知ったのだろう。
今、谷正之氏の六ヶ岳の紹介文を熟読して驚いている。JR竜徳バス停をスタート地点として新入駅をゴールとされているのだ。歩行距離8キロ、気楽な歩行時間3時間5分と細かい。僕は谷さんの著書を参考に歩いてきたが、バス停や駅は一切無視してきたから、その山に最も近い駐車場をさがして歩いたに過ぎない。谷さんの紹介されている「とっておきの100コース」をもう一度見直して歩くのも、70才からの低山歩きとして考えられるのかもしれない。
馬ヶ岳(うまがたけ)
やはり2015年6月に歩いている。かなりこの日も道迷いをしたことを書いている。ソロ活動ばかりだったので、怪我や事故の予感を抱きつつある表現が多く見られる。なんとこの日の馬ヶ岳では下りが急だったからと爪が4つのアイゼンを装着して歩いている。そんな超初心者の活動日記の最後には「それにしても馬ヶ岳の合歓の花は美しかった!」と書いている。おそらく六ヶ岳で知った合歓の花について調べて、馬ヶ岳を歩くときは「合歓の花」という認識で眺めたのだろうと想像する。