尾根道歩きの魅力について
登山も山登りも嫌いな人でも、この尾根道歩きだけは「別物」と考えていいかもしれない。
僕はこの尾根道を歩きたくて、渋々山を登っている場合がある。
台風のあとや、大雨のあとの山の麓は荒れている場合でも、尾根までいくと尾根道だけは逆に風や雨できれいな場合がある。
僕は尾根道を「官能的」尾根道などと表現する場合があるが、あれは僕にとって最大級の感動を言ってるつもりなんだ。
斜面には樹林が広がっているのに、あるいは自然林でおおわれているのに、なぜ尾根だけは通り道のようになっているのか不思議に思いながら調べたことはない。
道がない藪林でも地図を見て「尾根まで登ればなんとかなる」という体験的な感覚はある。
今日は600m級の栗ノ木峠から多利山、小塚岳までの尾根道歩きの紹介をしたい。
多利林道
多利山のとりつきから多利山までを「多利林道」と呼ぶことにする。
木々の伐採のための車道がそばにできていて、これが多利山までの道かと落胆したが、すぐ素晴らしい尾根道に入ることができる。
いつまでも歩いていたい、多利山の山頂にたどりつきたくないような気持ちいい尾根道だった。
小塚林道と椿三昧道
多利山から小塚山までは一旦開けた場所に出て、ゆるい味気ない坂を下るのだが・・・
その先には再び、多利林道にもまさる「小塚林道(仮称)」と「椿三昧道(期間限定)」がある。
道を阻む倒木までが美しい小径に思えてくる童話のような世界である。
小塚岳までは少し自然林のなかをくぐりぬけていくのだが、巨岩の集まりが木々の向こうに見えてくる。
一種神聖な空気を感じる石祠が巨岩に囲まれて存在する。
まとめ
標高651mの栗ノ木峠から699mの多利山、623mの小塚岳を歩くのだから、上り下りはほとんどない。
九千部山頂から石谷山までを往復するあの素晴らしい尾根道歩きに匹敵するかもしれない。
ただし尾根道をピストンしたほうが絶対に気持ちいい。
周回コースがあると思って林道道でもどったが、砂利道だけの光景も全く変わらな林業用の道だった。
距離が短く、脚に負担のかからない尾根道歩きとして、この多利山と小塚岳の存在を紹介した次第である。