好きなこといろいろ

駄句も句なり①

五箇句会と西郷句会に1年間参加させてもらうことにした。句会のために創った句をここにならべていく。駄句も句なり。

2024年1月「初湯」「山眠る」「寒鴉」

翡翠の谷あひの村初湯殿

印泥の指の朱おとす初湯かな

倒木に道ふさがれて山眠る

すぇずりのみな美しき山眠る

山眠る飯桐の実の赤々と

小港を見下ろし眠る高田山

初風呂を終の棲家で入る龍

明明後日五箇温泉の初湯とす

初湯にていしだあゆみを口ずさむ

初風呂も最期の風呂も風呂は風呂

俺は隠岐おまえは横浜(はま)で若湯かな

犬鳴の峠を越えて初湯殿

晦の風呂も初湯もいい湯だな

何もない庭先寒鴉とんとんと

甘納豆食べつつ昇る眠る山

縁側で石彫りおえてしづり雪

さだまれる寒さの中に常鶲

絵具寒し余命を燃やす父の筆

母の指離れる時の寒さかな

三日月の地蔵寒くはないですか

この寒さ妻と二人で分かち合う

寒さをも切り裂く水面の翡翠

細枝に筒雪光る窓景色

ハモニカを聞かせてやろふ六花

猫膝にながむる雪の日暮れかな

うまいなあついもらす芭蕉雪

頂きを拒むかのよに雪もよい

今が今吾が吾とて雪しまき

豊年を約束しますと雪の花

龍が翔ぶ初空雲を突き抜けて

初雪や半径五十の果報抱く

初御空参道の砂利も新しく

初空はカーテンあけし刹那かな

初空を迎え入れるは吊し柿

見上げれば板目模様の初御空

初空へ舞い昇る龍藁で編む

初空を斜めによぎる常鶲

2024年2月 「春」「冴え返る」「春寒」「雨水」

冴え返る湖面の鳥の描く波紋

浅春の木々のはざまをよぎる鳥

取り落としたる箸の音冴え返る

透明のシロウオはねる四手網

鼻かめば雀立ち去る春の庭

嘴に読むのをやめて裏庭へ

朝寝して時代の区切り無き夢見

春寒や薄墨羽根を震わせて

庭石に座りて尻の春寒し

料峭や白湯をひとくちもひとくち

さえざえと春の寒夜に寝る旅程

大満寺春の寒さを浴びて立ち

春寒やアゴを焼く父誇らしげ

2024年3月 「春の水」「雲雀」「山笑ふ」「春疾風」

倒木に苔のみどりや山笑ふ

薬屋の角を折れるや春の霜

あの枝にけふもあの鳥春の水

よるべなしふるさととなり夕蛙

名水の岩になりきる昼蛙

墓じまい更地の隅に昼蛙

田蛙の陰輝きて卯月かな

岩の上寝転んでいる春ならひ

春疾風ボタ山の土嗅ぎたや

皆逝った春嵐過ぎ去るよふに

金色に眠れ墓碑銘雲雀啼く

冠羽立て囀り飛ぶや朝雲雀

 

 

 

 

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コックン

2014年12月(当時59歳)に近場の低山歩きを始めた。 これから山歩き(登山)をはじめようと思っている方や福岡県内の里山や無名山に興味関心がある方々向けて情報発信したいと考えている。 福岡県の低山・里山・無名山以外にも駅舎や神社、コミュニティーバスなども好きである。

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