好きなこといろいろ

詩集「新しい朝」

隠岐の島からもどってきてから全く早起きができなくなった。早朝に詩をかく時間を確保するのがいちばん気持ちいい。それがわかっていながら早起きができない。珈琲は淹れるんだが詩はかこうとしない。五月の詩集を「五月の風」にしようかと思ったが、今朝「夜明け」にしようと思った。

夜明け

雨音がすごいぞ、タマ 窓をすこしあけてみようか こりゃすごい雨だ タマ 孫たちは鹿児島にもどっていき 静けさがかえってきた我が家 そこに雨 孫は来てよし帰ってよし 新しい長靴をはいて 傘をさして歩くのが昨日頭の中で考えたことなのだが この雨風の強さに躊躇っている タマ、もう一度寝ようか お腹はすいていないし 珈琲を飲みたいとも思わない 傘をさしても風にとばされそうだし やはりでかけるのはやめておこう

美しい朝

家の壁を射す朝陽 庭の芝生を照らす朝陽 美しい朝がくるということを 僕らは19才のとき知った もうあの時代にはもどれないけど 美しい朝はくりかえしおとずれる 歌たちが今も鮮やかおよみがえるように ある意味朝は永遠の光である

五月雨

雨降れば よろこぶ心よ 雨降れば 高鳴る胸よ

雨降れば 長靴はいて 雨降れば 傘をさして 蒲田池まわりを歩こう

雨降れば あずまやにはいろう 雨降れば あずまやで珈琲をのもう

雨降れば せつなき心よ 雨降れば 古希間近

俳句(棕櫚の花)

〇 棕櫚の花 くわえてはきだす 谷の村

〇 ホゲイワの 棕櫚花咲きて 水をのむ

〇 くにゆきの庭の棕櫚の木 花一塊

〇 みちひこが転がった先に棕櫚の花

俳句(スイカズラ)

〇 名も知らぬ 二人一組 忍冬

〇 篠栗を歩けばそこに忍冬

俳句(アカシア)

〇 アカシアを愛した男も九十五

〇 生きて死して アカシアの径 父供養

俳句(栃の花)

〇 栃の花 丸い胸した 人想う

〇 つかの間の 仕事をさぼり 栃見上ぐ

俳句(哲子ちゃん)

〇 ひなげしを 絵にして歩く 朝の径

〇 新田の通学路いく少女ひとり

俳句(エゴの花)

〇 三日月のエゴの花径ただ白く

〇 雨上がり散り敷くさまよエゴの花

俳句(ヤマボウシ)

〇 つばひろの帽子のごとし山法師

〇 もうそんな季節なのかヤマボウシ

〇 白色の苞(ほう)を広げし山帽子

〇 何が花で 何が苞など どうでもいい

俳句(合歓の花)

〇 きさかたの芭蕉妄想覚めて来い

〇 眠いからネムノハナとはつゆ知らず

〇 花合歓の口むかえられし六ヶ岳

〇 六ヶ岳 背中を押すは 合歓の花

〇 躓いて転んで合歓の馬ヶ岳

〇 馬見たか 淡紅色の絹糸花

〇 このきなんのきネムノハナ

〇 共寝する生きるがために合歓の花

〇 花は咲き 葉は眠りつく 合歓の花

俳句(菩提樹の花)

〇 菩提樹の香り漂う報恩寺

〇 古宮をくぐりて雨の報恩寺

〇 菩提樹を囲む香椎の杜深く

〇 ふりかえる朝の人影菩提樹のまえ

〇 菩提樹の花の香りがよぶ水無月

〇 報恩寺 青水無月や菩提花

俳句(水無月)

〇 田にそそぐ蒲田の池のいのち水

〇 水の月萩の花よぶ蒲田池

〇 水無月や山椒味噌の日暮れかな

〇 芭蕉にも子規にもなれず水無月

〇 ソーメンの庭の葉揺れる日暮れ時

 

 

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コックン

2014年12月(当時59歳)に近場の低山歩きを始めた。 これから山歩き(登山)をはじめようと思っている方や福岡県内の里山や無名山に興味関心がある方々向けて情報発信したいと考えている。 福岡県の低山・里山・無名山以外にも駅舎や神社、コミュニティーバスなども好きである。

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